美しい景色を見ているだけで心が現れたり、素晴らしい芸術作品を見て感動したりとなにかを見ているだけで心が動かされることがあります。
これは、私たちが目にした情報が、情動を司る辺縁系へと伝わって
これは、単に色が違うだけでもその効果は変わってくるようです。
赤いユニフォームで勝率アップ
私たちは、知らず知らずいろいろなものの影響を受けています。
何気なく見ている光景でさえ、私たちの感情に影響を与えます。
な
もちろん、実力が均衡しているという前提は必要です。
イギリスのダーラム大学のヒル博士らが、公平なルールがあるオリ
普通、ボクシングの試合では、赤コーナーには強い選手が入ります
それに対し、公平なルールのあるオリンピックでは、赤・青どちら
つまり、赤コーナーと青コーナーの勝率は、均衡するはずです。
にも拘らず、赤コーナーの勝率の方が10~20%も高いのです。
では、どうしてそのような違いができるのでしょうか?
その答えが次の実験にあるかもしれません。
Rochester大学のAndrew Elliot博士らが行った実験です。
表紙だけ色を赤・白・緑に変えたIQテストを用意します。そのテ
すると表紙が赤色のグループでは、他のグループと比べて「易しい
つまり、赤色を目にすることで士気が奪われるのではないかと推察
ヒル博士は、「赤色には無意識に相手を威嚇し、優位に立ちやすい
試合の時に頻繁に赤色を目にするのは、対戦相手ですから。
赤色はテストの成績を下げてしまう
色が成績に影響を与えるという報告もあります。
ロチェスター大学のエリオット博士らが2つの実験を行いました。
① IQテストの問題の表紙だけを白・赤・緑と違う色を使う。
② アナグラム試験(文字を並び替えて意味のある単語を作る)の問題用紙の右上端のコーナー部分のマーカーの色を黒・赤・緑と違う色にする。
当然、問題の中身は一緒です。
にもかかわらず、赤色の時だけ点数が平均で20%低下してしまうそうです。
白・緑・黒といった他の色では、そういう違いはなかったようです。
では、なぜ赤色だけ試験の成績が低下したのでしょうか?
カナダのアルバータ大学のシンクレア博士らは、赤色や黄色などの長波長の光は「幸福感」と関連していて、充足感が得られ、学習欲を低下させるからではないかと推察しています。
ちなみに、文章のミス探しや説明書の重要事項の記憶には赤色は効果的らしいですよ。
赤色は心理的に回避傾向を生み、警戒心を高め、青色は積極的で好戦的傾向を促すとされています。
極度な集中力が要求されるケースでは赤色が、創造性が要求されるケースでは青色が効果的というデータもあるようなので、試してみてください。
色とホルモンの関係
色にはホルモンの分泌を促す効果があるとも言われています。
有名なところでは、赤。
なんとなく想像がつく方もいると思いますが、アドレナリンの分泌を促すとされています。
アドレナリンには、覚醒度を上げ、注意・集中力を高め、身体と脳を臨戦態勢にするという効果があります。
実際、赤には人の購買意欲をそそったり、モチベーションを上げたりする効果があると言われています。
いっぽう、青はセロトニンの分泌を促すとされています。
そのため、集中力が高まり、リラックス効果が生まれます。実際、α波が増えたという報告も見られます。
そのせいでしょうか、イギリス北部のグラスゴーのブキャナン通りで、街灯を青色に変えたところ犯罪件数が年間1万件も減少したそうです。
日本の各自治体でも導入を始める所がでてきています。
JR西日本では、踏切での人身事故防止策として導入し、効果が得られているそうです。
そして、ピンク。こちらも興味深いです。
基本的には、赤と同じ生理反応をしめしますが、それ以外に女性ホルモンであるエストロゲンとプログステロンを分泌させると言われています。
若返りに効果があるそうです。
ちょっと試してみたくなりますよね。
赤色が好きな人はテストステロンが高い
赤は、やる気になっている時に気になる色とされ、自己アピールに
ビジネスでは、販売色カラーといわれ、この色を入れることによっ
そして、男性ホルモンである“テストステロン”の高い男性ほど青
ノース・ダコタ州立大学の研究チームが376名の大学生を対象に
赤と青とどちらが好きかという質問と性格を調べる質問を行いまし
すると、赤色が好きな人は青色が好きな人に比べ怒りの状態にあり
まぁ、赤と青だけなので、ちょっと説得力には欠けますが…。
ただ、赤色が好きな人ほどテストステロンが高いということなので
テストステロンの主な働きは、下記のものになります。
■筋肉増大
■タンパク質の同化作用の促進
■体毛増加の作用
■男らしい体型を作ってくれる
■やる気促進
■快楽の増加
■痛みを鈍らせる
■闘争本能促進
■孤独願望が強くなる
そのため、「テストステロンが人を攻撃的
ただこれも、数年前にはそれ
参考)
Color and Psychological Functioning: The Effect of Red on Performance Attainment