ふだんは、やる気が出ないお掃除ですが、試験や試合、イベントなどの大切は本番を控えている時になるとがぜん掃除がしたくなることがあります。
自分だけかもって思っているかもしれませんが、意外とそういう人は多いようです。
なんといっても、この現象に名前までついています。『セルフ・ハンディキャッピング』というそうです。

読んで字の如く、自らにハンディキャップを課すことをいいます。これは、イギリスのエドワード・E・ジョーンズらによって提唱されました。

この現象、一見すると本人にとってもなんのメリットがなさそうですが、潜在意識にとっては、ちゃんとしたメリットがあるようです。これは、私たちが傷つきたくないために行ってしまう防衛本能であるとも言われています。

もし、大切な本番に失敗したとしても、「やっぱり…あの時、急に掃除したくなって練習できなかったから」といった言い訳でき、さらには、成功した場合、「努力もせずに私ってすごい」というふうになるわけです。

そのため、わざわざ、テスト前に突然、「ぜんぜん勉強していな~い。どうしよう」と友達に言ってみたり、ふだんだったらやらないような大掃除をしてみたりしてしまうのです。
ありがちです…。大学時代よくやっていたような気がします。

これに関連して面白い実験があります。
「新薬の実験に協力してください」といって集めた学生を2つのグループに分けて、問題を解いてもらいます。

一方のグループには簡単な問題を、もう一方のグループには難しい問題を与えました。学生たちが問題を半分解いた時点で、「よくできていますよ」とフィードバックをします。
そして、「この2種類の新薬のどちらかを選んでください。飲んでから残りの問題に答えてもらいます」と伝え、2種類の新薬「知的作業を促進する薬」と「知的作業を抑制する薬」を提示します。

もちろん、その新薬は偽物です。すると、難しい問題を解いていたグループでは、より多くの学生が「知的作業を抑制する薬」を選んだそうです。つまり、後半の問題が解けなかった時の言い訳が欲しかったというわけです。

要するに、無意識のうちに自分が傷つかないように守っているわけです。でも、冷静に考えてみると、それは自分の足を引っ張る行為でもあります。

ふだん私たちは、知らず知らずのうちに自分を守ろうとして自分の足を引っ張るようなことをしているわけです。
それは単に、現実から逃げ、結果に向けた努力を怠るというだけではないと思います。
自分にはできないかもしれないという事を潜在意識に刷り込むことになる可能性もあるのです。

元ネタはこちら
http://ure.pia.co.jp/articles/-/22105
http://woman.mynavi.jp/article/131202-123/