温かなものを飲むことで身体が温まり、私たちにいろいろな作用をもたらしてくれます。
しかし、温かな飲みものには、他にも意外な効果があることが分かっています。
温かな飲みものは風邪の症状を緩和する
温かな飲みものには気道の通りをよくするという報告があります。
それだけではなく、咳や鼻水、咽頭痛、悪寒、倦怠感にも効果があったそうです。
温かな飲みもので好感度アップ
温かい飲みものというのは好感度を上げるのに役に立つようです。
具体的にいうと、初対面の人と会ったときに相手に温かい飲み物を飲んでもらった方が好感をもたれるそうです。
アメリカのエール大学のジョン・バーグ教授とコロラド大学のボールダー校のローレンス・ウィリアム博士による共同研究です。
実験は、比較的単純です。
被験者にアイスコーヒーもしくはホットコーヒーをしばらく持ってもらいます。
その後で、いろいろな人の写真を見てもらいます。
そして、その写真の人物に対する印象を答えてもらいます。
すると、ホットコーヒーのカップを持った被験者は、写真の人物に対して、「優しい」とか「社会性がある」と好意的な回答をする割合が高かったのです。
一方、アイスコーヒーのカップを持った被験者はというと、写真の人物に対してマイナスのイメージを持ちやすかったそうです。
つまり、温かいものに触れると温かい感情をもちやすく、冷たいものに触れると冷たい感情をもちやすいらしいのです。
では、どうしてそう感じてしまうのでしょうか?
どうも、小さい時の体験に関連しているのではないかとの推測がされています。
つまり、小さい時には、誰しも大人に抱かれることで、実際の身体のぬくもりと温かい感情を結びつけています。「身近で信頼できる人=温かさを感じる人」という図式ができているのではないかと考えられるのです。
実際、私たちの脳の中で、物理的な温度を処理する部位と信頼などの人の温かさの情報処理する部位は同じであり、どちらも島(とう)という場所で処理されるということがわかっています。
そのせいでしょうか。
人間的な温かさに関しては英語でも warmthと日本語と同じような表現となっています。
まったく違う言葉にも共通性があるっておもしろいです。
人類みな兄弟ではないですが、言葉は違っても通じるところがあるってことなのかもしれません。
参考
Ronald Eccles. The effects of a hot drink on nasal airflow and symptoms of common cold and flu. Rhinology 46(4):271-5 Jan. 2009
http://n-harmony.net/column/hie/02.html
http://www.sciencemag.org/content/322/5901/606