太陽の光にはいろんな効能があることがわかっています。
特に、朝の光には不安な気分を鎮め、気分を安定させ、睡眠を深くする効果があるといわれています。

太陽の光には気持ちを落ち着ける作用がある

これには、『セロトニン』と呼ばれる物質が関係しています。
このセロトニンには、神経細胞が情報のやり取りをするときに重要となる神経伝達物質の1つで、抗うつ・抗不安作用があるとされています。

実際、うつ病の人では、神経細胞同士のつなぎ目(シナプス)のセロトニン濃度が下がっていることがわかっています。
抗うつ薬は、種類によって作用する場所は違いますが、セロトニンが増えるように働き、抗うつ効果を発揮しています。

そして、朝の日の光には、このセロトニンを増やす働きがあるのです。
光の情報は、上部胸髄(胸部の脊髄)などを通って、脳にある松果体という場所に働き、セロトニンの分泌を促します。

ちなみに、その他のセロトニンを増やす方法としては…
リズミカルな運動をする、よく噛む、トリプトファンを多く含む食品をとるのがよいそうです。
そして、リズミカルな運動として推奨されているのが、スクワット、階段の上り下り、ウォーキング、深呼吸、フラダンス。5分以上。

トリプトファンの多い食品としては、豆乳 (55mg)、牛乳(40mg)、ヨーグルト (40mg)、プロセスチーズ (290mg)、ヒマワリの種 (310mg)、アーモンド (200mg)、肉類 (約200mg)、赤身魚 (200~300mg)、納豆 (240mg)、すじこ (330mg)、たらこ (280mg)、白米 (100mg)、そば (120mg)があります。
*可食部100gあたり

日中の太陽の光は良質な睡眠をもたらしてくれる

セロトニンを材料にして、自然な眠りを誘う作用があるメラトニンが作られます。
メラトニンは、光を浴びている間は分泌が抑制されます。
そして、日中に光を浴びることで、夜間のメラトニンの分泌量が増えるのです。

結果として、ぐっすりとよく眠れ、睡眠の質が上がります。
それによって、脳とこころの疲れがとれ、また朝早く起きられるというわけです。

夜、なかなか眠れないという人は、日中に太陽の光を浴びるということを意識してみるといいかもしれません。

日の光は、1時間浴びるのが良いということがいわれています。
とはいっても、1時間外にいる時間をとるというのは、なかなか難しいかもしれません。
そういう場合には、室内でも窓際にいる時間を増やしたり、照明を明るめにしたりするといいかもしれません。
その太陽の光の抗うつ効果に注目した高照度ライト「ブライトライトME+」というものも最近発売になったようです。

太陽の光は骨を丈夫にする

さらに、太陽の光には骨を丈夫にする効果があります。
骨の材料として、カルシウムがありますが、ビタミンDはそのカルシウムの吸収を助けます。
ビタミンDは、サケやイワシ、カツオなどの魚類や卵黄、干し椎茸などのキノコ類に含まれますが、それ以外にも太陽の光を浴びることで、自分の体内でも作り出すことができます。
だいたい、夏だと6分、冬の曇った日だと30分くらい日光を浴びるのが効果的だそうです。

まとめ

太陽の光の効果についてまとめてみました。
いろいろ生活が制限される日々が続いておりますが、その代わりに自然は回復しつつあるようです。
その恩恵を受けつつ、この時期を乗り切っていきましょう。