私たちは大人になる過程の中で、自分らしく生きるということを諦めがちです。
ときには、自分らしいということがどういうことなのかということすら分からなくなっているかもしれません。
気ままに生きているようであっても、深い満足感が得られなかったり、一日の終わりになんとなく疲れたりというようなことがあるのであれば、本来の自分とはどこかズレた状態で過ごしている可能性があります。
とはいえ、自分らしく生きるためにはどうしたらよいのでしょうか。
自分らしく生きるためにやめた方がよい7つのことについてまとめてみました。
常識や理想にとらわれる
そもそも常識や理想というのは、時代や育った環境によって違います。
たとえば、戦国時代に英雄としてたたえられたことを現代の日本でやったら犯罪になります。
これは極端な例かもしれませんが、多くの人は自分の中の常識や理想にとらわれています。
常識や理想というのは、自分自身を今の状態のまま閉じ込めておく檻のようなものです。
いったん、そこから出なければ自分らしさは分かりません。
なにも、いきなり非常識な行動をしましょうといっているわけではありません。
どんなに非常識なことだったとしても考えているだけであれば、何の問題もありません。
それを行動に移すことのメリットデメリットをみてどうするかを判断すればよいのです。
常識や理想の檻に閉じ込められたままでは、自由な発想は出てきません。
全てをOKとした状態でみてみましょう。
他人と比較する
自分は自分、他人は他人です。
自分らしさを追求するためには、他人と比較することは大敵です。
他人と比較するということは、
少なからず自分の中で他人に評価をゆだねているところがあったり、
自分に制限をかけていることがあったりするということです。
そもそも他人と比較するための評価軸は何なのでしょうか。
それは、自分らしさにあった評価軸なのでしょうか。
おそらく、そのときに使う評価軸は今まで自分の中にあるものでしょう。
つまり、今までの自分が常識や理想の中で作り上げた思い込みが基準になっているはずです。
その評価基準をあてにしていたのでは、自分を変え、新しい自分になっていくことはできません。
とはいえ、今までの癖で、ついつい他人と比べてしまうということはあるでしょう。
そういう自分も受け入れながら、自分は自分、他人は他人と気づいた時に手放していくのがよいでしょう。
自分を否定する
自分を否定することは「伸びようとする自分の頭を自分で押さえつける」行為です。
「出る杭は打たれる」といいますが、それを自分自身でやってしまっています。
こういうことをしていると健全な活力やエネルギーは奪われてしまいます。
当然、チャレンジする気力も出てきませんし、場合によっては喜びを感じることも難しくなってきます。
自分で自分自身の可能性の芽を摘んでしまっているのです。
こういう場合には、逆説的かもしれませんが、
自分を否定している自分をまず受け入れるということが大切です。
その上で、自分の良い点に目を向けたり、
自分が喜ぶ小さな贅沢をしたりしてみましょう。
他人を否定する
倫理的な観点からいっても、これに同意しない人はいないでしょう。
自分らしく生きている人は、他人が自分らしく生きていることも尊重できます。
しかし、ここで気をつけたいのが、他人を否定したくなる気持ちを抑圧してしまうことです。
他人を否定したくなる気持ちの裏には
・自分に注目してもらいたい
・自分が劣っているように感じる
・自分に自信がない
という気持ちが隠れています。
他人を否定する気持ちが出てきたら、自分を見直すチャンスです。
他人を否定する気持ちをそのまま言動で表したら、
社会生活上、差し障りが出てくる可能性がありますが、
その気持ちをないことにしてしまうと
知らないうちに自分の中で大きくなってしまうかもしれません。
そういう自分を受け入れていくことで、
自然と他人を否定する気持ちが薄らいでいきます。
全ての人に好かれようとする
世の中にはいろいろな人がいます。
その全員に好かれるというのは無理な話です。
とはいえ、アドラーの『嫌われる勇気』という本がベストセラーになったように
人から嫌われてもいいとは、なかなか思えないものです。
しかし、嫌われる覚悟を持つことは逆に人間関係を良くする秘訣であり、
ビジネス成功の秘訣でもあるといわれています。
嫌われる勇気を持つことで
相手の存在を過剰に意識せずに付き合えるようになり交友関係が広がったり
自分の信念を貫きやすくなったりします。
周りの評価や反応を気にする
周りの評価や反応を気にしていると、選択の基準が
自分がどうしたいのかではなく、
周りからどのように評価されるかになってしまいます。
そうなってしまうと、当然自分らしさからは遠ざかってしまいます。
周りの評価や反応が気になるというのは、
周りから認められたいという承認欲求から出てきます。
その原因として、両親に子どものころテストの成績にばかり注目されて育てられたことが考えられています。
つまり、良い成績をとらないと受け入れてもらえないという思い込みが
潜在意識の中に深く刻み込まれてしまっているのです。
まずは、他人の期待に応えようとするのをやめるということを決めましょう。
その上で、自分自身の目標を明確にして、優先順位をそちらに移すのです。
他人に認めてもらうことよりも、自分で自分を認める方向に力をかけるとよいでしょう。
失敗を恐れること
「失敗は成功のもと」といわれるように、
何か新しいものを生み出したり、新たな付加価値をつけたりするときには
失敗はつきものです。
最初からすべてうまくいくものは、すでにあるものです。
それは仕事の面でもそうですし、自分自身の成長という面でもそうでしょう。
自分ができそうなことだけしていては変化は生まれません。
失敗を乗り越えるプロセスの中でオリジナリティが生まれてきます。
とはいえ、人は失敗を恐れる性質があるようです。
ロシアの心理学者ツァイガルニクの研究によると、人間はうまくいったことよりうまくいかなかったことを強く記憶する傾向があるようです。
もしかすると賢い人ほど失敗を恐れる傾向があるかもしれません。
というのも、スタンフォード大学の心理学者キャロル・ドゥエックが、クローディア・ミューラー氏と行った実験によると、努力よりも知性(結果)を褒められた子どもは、自分を賢く「見せる」ことに気持ちを向けるようになり、間違いを犯すリスクをとれなくなるそうです。
まずは、失敗に関する思い込みを捨てましょう。
そして、そして、失敗したときにおこる何に対して恐れているのかを具体化してみましょう。
まとめ
自分らしく生きることを諦めるということは、自分自身に嘘をつきながら生きていくということです。
それは、知らず知らずのうちにストレスになってきてしまいます。
とはいえ、自分でも何が自分らしいのか分かりにくいかもしれません。
そういう場合には、まずは、自分の中にある、いろいろな自分にOKを出してみましょう。
今まで気づかなかった自分の新たな一面に気づけるかもしれません。