身体と心は関係していることが分かっています。
たとえば、どういう姿勢でいるかで相手に与える印象はずいぶん変わってきてしまいます。
ボディーランゲージという言葉がありますが、それくらいポーズが与える非言語的コミュニケーションの様子が大きいということでしょう。
そして、このボティーランケージは自分自身の気持ちにも大きな影響を与えているようです。
パワーポーズが与える影響
自信がある印象を与えるパワーポーズをとった場合にどうなるのか?
という事を調べた実験があります。
ちなみにパワーポーズとは、身体を広げる姿勢です。具体的には、腰に手をあてて姿勢よく立つ、足を前に投げ出して座る、机に手をついて前のめりの姿勢で立つ、椅子の背もたれにもたれてゆったりと腰かける、椅子に座って隣の椅子の背もたれに手を乗せるなどです。
このパワーポーズをたった2分間とっただけで、
ストレスホルモンが減り、闘争本能を高める男性ホルモンが上昇したそうです。
姿勢がホルモンの値に影響を与えたのです。
そして、そのホルモンの値の変化の結果として、心や行動にも変化がみられました。
パワーポーズをとった人は、ますます自分の能力に自信を持ち、より多くのリスクを冒すようになったのです。
その結果として、チャンスに早く飛びついたり、新しい分野にチャレンジしたりしやすくなるという事です。
社会心理学者のAmy Cuddyは “Your body language shapes who you are (ボディーランゲージが人を作る)”と言っています。
彼女は10台の頃に車の事故で脳に障害をきたし、
大学卒業も難しいと言われたにも関わらず、
ハーバードビジネススクールの助教授として活躍しています。
その彼女だからこそ「自分に自信を持つこと、
そしてやり続けることは重要である」という言葉には、説得力があります。
女性は自己評価が低くなる–インポスターシンドローム−
特に女性では、自己評価が低く、自分の成功や業績を自分の実力であると信じられない人が多いとされています。
たとえば、何か目標を達成したり、仕事に成功したりしても、「それは自分の実力ではなく、私の運がよかっただけ」などと思い込んでしまうのです。
このような状態をインポスターシンドロームといいます。
インポスター(imposter)は、詐欺師とか偽物という意味です。これは、自分が周囲を欺いて、実力があるかのようにみせているという感覚に陥ることからこの名前がきています。
マイナス面に注意が向きがちな減点主義の人がなりやすいとされています。
自分自身の成功や業績を評価された時、
「あの人たちは本当の自分の実力を知ったら失望するに違いない」と、あたかも自分が詐欺師になったような気分がし、いつ化けの皮がはがれるか分からないといった不安を感じてしまうのです。
まとめ
日本は減点主義の社会といわれています。そのため、案外と自己評価が低い人が多いのかもしれません。
もし、自分に自信が持てない…と感じたら、自信のあるパワーポーズを2分間してみるのもいいかもしれません。
参考)Cuddly AJ et.al. Preparatory power posing affects nonverbal presence and job interview performance. The Journal of Applied Psychology. 100: 1286-95.